日吉台地下壕見学会を開催

5月24日、日吉台地下壕保存の会が主催の「日吉台地下壕見学会」に、西東京三田会、小平稲門会からの希望者を含め、14名で参加しました。日吉台地下壕は、太平洋戦争中に大日本帝国海軍が慶應義塾大学日吉キャンパス地下などの一帯に建設した防空壕で、連合艦隊司令部や、海軍省人事局・航空本部・艦政本部などの海軍の重要機関が入居する地下要塞として使用されたものです。50年も昔の学生時代に「日吉の丘の地下には軍の施設がある?」という噂を聞いたことがあったのですが、今回その存在を確かめることができました。マムシ谷のバレーコート脇にある壕の入口から懐中電灯を手に急坂を下って中に入ります。天井高は2m程度でしょうか。道幅も大人が十分すれ違える程度の広さで、問題なく見学できました。床は地下水で濡れている場所もありましたが、よく整備されています。いくつかの候補地の中から日吉が選ばれた理由は①大本営(東京)と横須賀軍港の中間地点にある。②高台で無線電波の受信状態がよい。③慶應義塾の強固な校舎が利用できる。④地下壕を掘削しやすい地質、などの理由だそうで、 海軍省と慶應義塾の間に賃貸借契約が結ばれました。 慶應義塾大学は3,000余名の学生を学徒出陣させ、約400名が戦死しました。また日中戦争以降の塾卒業生・在校生の戦死者は2,223名といわれています。日吉台地下壕という戦争遺跡に立ち、戦没された先輩諸兄に思いを馳せ、この80年間我が国が平和を維持できたことに感謝するひと時を過ごすことができました。